
R41
うな神だか何だかの看板が見える頃、R21は広い片側2車線の道路から、狭い片側1車線の道路になる。
それをひた走る。
そのうち右手には中部地方を代表する長良川の流れが見えてくる。
その頃、左手にはJR貨物が走る線路が見える。
川と線路・・・
つまりここいら一帯はどうにもこうにも道が拡張出来ない場所である。
そして勿論通り道を狭められた流れは・・・滞る。
二分の一の道幅に我先にいざ行かんとマナーを棄て始める一般交通たち。
そんな今更に棄て始めるマナーなど初めから持ち合わせていないであろうマスターが一般交通を嘲笑う。
勿論後方からマスターに追い縋っているのだし、ヘルメットに覆われた表情を確認できたわけではないのであるが・・・
『ぬぅぉぉぉぉっ!なんであんなに余裕そうに走ってられるんやわいね?!』
104氏にはマスターが鼻唄まじりに嘲りの表情でライディングしている様がはっきりと想像できたという。
『うぬぅ! ツーリングってもっとのんびり楽しいものやないじ?!』

日常の雑多煩わしいことが忘却の彼方へ押しやられた一方で・・・
非日常の緊張と危機感が押し寄せてくる。
そうな道中が延々続いた・・・張りつめきった緊張感に何かを放擲したくなった。
しかし、それが何であるのかは当時の104氏には知れなかった。