
R21
チリチリとシールドに砂利が当たる音が聞こえる。
『うぬぅ! 飛ばし過ぎやわいねっ!!』
岐阜を東西に切る形で存在するR21。
まだツーリングが始まってから10分と経っていないのに既にその上の各務ヶ原を走っている。

目前には長い手足を上手にたたんでOMC-SRを右へ左へ躍らせるマスターが見える。
善良であるがうすのろな障害物にブレーキを踏ませることなく駆けていく。
その決して少なくはない交通量の中を速度にして130キロ程で駆けているのだ。
路側帯の縁をこの速度で駆け抜けるマスターに文句を垂れながら何とか食らいついていく104氏。
104氏は、マスターとOMC-SRが跳ね上げる砂利が首に当たると痛いのでマスターを真似て
『この阿呆ぅ!』
と言ってみた。
どんどん現実的な日常が身から離れていく・・・。
足らない単位、滞納を始め出した家賃、漠然とした将来への不安・・・
すべてがどうでもよいことのように思えてくるのだ。