洗車の仕方


104氏は滅多に洗車をしないことで有名である。

その理由を104氏本人は、

『水が錆をよぶやわいね、出来得る限り洗車の回数は少ない方がイイやわいね!』

と力説する。

しかし、関係者は単に104氏が面倒くさがり屋サンであるから洗車が嫌いであるのだということを見抜いている。

いつも104氏がもっともらしい理由を振りかざして洗車を見送るものだから、いざ洗車の機会に恵まれたときのR1−Zは大変に汚い。

『それにしても何故に雨っ!?せっかく早起きしたのに腹が立つやわいねっ!!』

104氏は早朝6時にそう愚痴った。

オマイサンの日頃の行いが悪いからだと思うのは筆者だけではあるまい・・・。

ヨメ様から与えられた時間が本日しかない以上しぶしぶ洗車の用意をする104氏の背中は哀しげであったという。

『やるからには徹底的にキレイにするやわいねっ!!』

104氏はそう呟き、サランラップと輪ゴム片手に下拵えを開始した。

変なトコロにこだわるAB型の血がそうしからしむ。

『うぬぅ!雨足が強くなってきたやわいねっ!』

このとき104氏の頭の中に中学校の国語の教科書のなかで老婆が語った

「降りなんだ雨がやまなんだことは一度もありません」

という言葉が浮かんでいたらしい。

変なトコロにココロの拠り所を見つけ出す性格は中坊の頃から何一つ変わっていない。

『なんだか手がベチョベチョするやわいね』

『遠目からはそこそこキレイに見えても油断してはいかんよ諸君・・・』

誰に言うでもなく104氏はそう呟いた。

『こうなったら洗うしかないやわいね』

何かを吹っ切った104氏である。

『このタンクが可愛くてしょうがないやわいね!だって転んでも転んでも凹まないんですもの』

「それは単に運がいいだけだろう?」・・・筆者はそう思う。

『洗うべしっ!洗うべしっ!!洗うべしっ!!!』

『ふっ、遠慮はいらんのだよ諸君っ!』

104氏はこの時点でかなりノリノリになっている。

『なんやわいね?この黒い飛沫はなんやわいね??服も手も黒い斑模様になっていくやわいね!』

ノリノリの104氏も流石に手を焼いた様子だ。

『うむ!キレイなチェーンは気持ちよしっ!』

ご満悦な104氏。

『疲れてきたやわいね・・・お掃除屋さんはいないの??』

104氏は疲労のため時に大変都合のよい人間(この場合は掃除屋さん)を勝手に創造しようとする・・・。

当たり前であるが、その創造が成功したためしはない。

『気分を変えてタンクでも磨いてみるやわいね』

まったくいつも面倒くさいことからはすぐに逃げ出す104氏である。

『うぬぅ、いくら目を逸らしてみても洗わんことには汚れは落ちんやわいね・・・』

当たり前のことに今更気付く104氏であった。

『洗うべし、洗うべし、洗うべし・・・面倒だから水かけて洗うやわいね!』

『あとから拭取ればイイだけの話やわいねっ!水かけてヨシっ!!』

『うぅ・・・拭取りが超面倒だったやわいね・・・腰が痛ひ』

見えてきたゴールを前に少し愚痴をこぼす104氏。

『流石に新車みたいにはならんやわいねぇ・・・』

そう毎度104氏は呟くのである。

しかし、「面倒くさがり屋さんの割には毎度綺麗に仕上げているな」というのが筆者の感想である。

『ゴールはもうすぐソコっ!!』

俄然元気を取り戻してきた104氏。

『もう触ってもベタつかんやわいね!うむ、頑張った!』

『今回も致命的な錆びは見つからんかったやわいね、終わりよければすべてよしっ!!』

104氏は充実した笑顔でこう叫ぶ。

『本日はここまでっ!!!』

『飽くまで主観的洗車の仕方ゆえ参考にする場合は適当に頼むよ、真似してトラブル発生でもなんの責任もとれんからね!』

最後にそう小声で呟いたのは言うまでもない。


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